めんどくさいから抜けられない2つの原因!行動に結びつく脳に通じやすい命令

めんどくさい沼から抜け出す

脳の機能を科学的な見地から解説している「めんどくさいが消える脳の使い方」。本書は作業療法士というリハビリの専門家が書いており、めんどくさいという感情を消すための方法が余すこと無く解説されている。

今回は、めんどくさい→やりたいくないという沼から抜け出せない2つの原因と、行動に結びつく脳に通じやすい命令という考え方を紹介する。

めんどくさい沼から抜けられない2つの原因

①誰かに怒られないかを気にする

何か提出物や課題があったときに、期限までに提出しないことで罰があるときは、人間は罰を恐れるモードに入っていまい、体が動かなくなってしまう。体が動くモードになっていないのに、期限は迫ってきてしまうので、めんどくさいとなってしまうのだ。

これは考え方を変える必要がある。誰かに怒られないために提出するのでは無く、その提出物や課題が将来の自分や誰かの役に立つから提出するのだ。こう考えると、途端に体は動きやすくなる。

②めんどくさいと感じたときに、とる行動が決まっている

めんどくさいと感じる→とりあえずスマホをみる→いつものニュースアプリを開く→その後動画アプリを開く→いつの間にか時間がたっている

このような行動を繰り返し行っていると、めんどくさいと感じたときの行動パターンを生む脳の配線が強化されてしまい、それ以外の行動がとりずらくなってしまう。私たちはこのように知らないうちに行動が習慣化されてしまうのだ。一旦行動が決まってしまうと違う行動をするにはかなりの意思力を必要としてしまう。

行動パターンを変えるには脳の配線をつなぎ替える必要がある。そして、つなぎ替えるまではめんどくさいのだ。私たちは脳と自分を切り離して考える必要がある。いつものパターンと違う行動をしたとき、いつもと違う脳の配線を使うので、そこには意思力が必要であり、めんどくさいと感じる。この配線が強化されるとめんどくさいと感じなくなるのである。

このことを知らないと新しいことを試すたびに、ただただめんどくさいと感じて脳の配線が強化されないうちに習慣化できず、めんどくさいまま終わってしまう。

めんどくさいのつまづきを解消する3つの考え方

①出来栄えは気にしない

めんどくさいという感情は脳にその行動パターンの配線が無いため生じるものである。つまり、その行動パターンを作りたければ、その行動の成果が不十分なものであっでも良い。その行動さえできれば良いのだ。

私たちはいざ何かを始めると、せっかくやるのだからと良いものを作ろうとしてしまう。しかし、今までやったことの無いことが、始めから上手くできるわけが無い。その結果、上手くいくと思ってやったことが上手くいかず、やる気がなくなってしまい、めんどくさくなる。

これを防ぐには、まず行動パターンを変え、脳の配線を行動パターンにつなぎ替えることに主軸を置き、出来栄えを求めないことが重要だ。一旦生まれた神経のつながりは2週間たつと淘汰されてしまうと言う。2週間以内にもう一度使われれば、「必要なルート」として配線が残される。

②新しいことはやらない

新しい習慣を始めようとしても、今までやったことの無いことを新たに取り入れるのはかなり大変である。そこで、今までもやっている作業に繋げる、紐付けることを意識してみよう。

打ち合わせ後に資料を作るのが億劫な時、資料を作るというタスクをパソコンの付箋アプリを使って表示させるという習慣を思いついたとする。この時、パソコンの付箋アプリを使うという、今までやったことの無い行動をしないといけないので、これはめんどくさい。

この場合、資料は作ったことはあるはずなので、打ち合わせ後にとりあえず資料データを1行だけ作製し名前をつけて保存する。ここまでだけやっておくのだ。そうすることで、資料作成の手間が減らせるとともに、行動パターンはそこまで変わらない。1行だけ作ってあることで、次に何を書いたら良いのか明確になりめんどくささが薄れる。

③かっこよくなくてもOK

めんどくささを微塵も感じない仕事のできる人は、人望が厚くスマートでファッションもかっこいいみたいなイメージがあるかもしれない。そんは姿を想像して、自分は仕事も遅いしかっこいいセンスも無いと諦めてしまっている人もいるだろう。

しかし、現代は在宅で仕事ができる時代であり、オンラインが主軸のライフスタイルではそのような人材が求められているのでは無い。必要なことを必要なだけできる人間が求められているのである。

このような自分への刷り込みが、できる人間になるという課題に対して自分にプレッシャーを与えており、難しく考えすぎる原因になっているかもしれない。別にかっこよくなくても、自分が自分の脳と通じ合えれば楽しく生きられるのである。

脳に通じる命令は3つの要素でできている

行動を起こすためには、脳に通じる命令をしなければ脳は動かない。この命令で脳のふるまいが大きく変わるのである。命令として使用するのが次の3つの要素である。

①脳のリズムに合わせる

脳が発揮できる能力はいつも同じでは無く、時間帯によって変化するらしい。つまり、今めんどくさいことは後になればめんどくさくなくなる可能性がある。この時間帯は以下のように決まっている。

起床2時間まで:決断する

起床3時間後:覚える

起床4時間後:考える

起床5時間後:交渉する

起床6時間後:2時間後の眠気に備えて目を閉じる

起床7時間後:細かい作業をする

起床8時間後:大ざっぱな作業をする

起床9時間後:他者とつながる

起床10時間後:計算する

起床11時間後:力仕事をする

今やっている課題が上手く浮かない場合、時間帯を制御すれば上手くいく可能性がある。とりわけ、朝の脳の働きはかなり冴えている。何かを決断しなければならないとき、覚えなければいけないことがあるとき、考え事があるとき、これらは朝の時間帯にやるべきなのだ。

何か作業がある場合は昼から午後の時間帯の方がはかどる。覚えておくと役に立つだろう。

②神経をつなぎかえる

前述したように、脳の配線をつなぎ替えるということであり、これを使った命令とは「めんどくさいことは他の作業にくっつける」、「めんどくさい作業は切り離す」である。

そのためには、めんどくさい行動をブロック分けし、最小単位で前の作業にくっつけることが有効である。また、めんどくさい作業を切り離すためには、めんどくさい行動をブロック分けした後、最小単位で時間を区切る。

考え事は5分、調べ物15分と切り離し、その間に別の作業を挟んで、交互に繰り返す。そうすることで、めんどくさいと感じる暇も無く行動が継続できる。めんどくさい行動を連続でしようとするからめんどくさいのだ。切り離して交互にしてしまえば良い。

③脳に送る感覚データを増やす

脳に送るデータを使った命令とは「めんどくさいことは、作業を通して得られる感覚を増やす」である。例えば掃除や洗濯をするとき、手からは掃除機の感覚や洗濯物の濡れた感触が5感を通して脳に入力される。そのデータを元に、自分がどう動くかを決定しているので、感覚が多ければ多いほど行動しやすくなるのだ。

この5感などのデータが入力されるのは頭のてっぺんにある頭頂葉であるが、自分がどう動くかを決定するのは頭の前にある前頭葉である。頭頂葉と前頭葉は競合関係にあり、頭のてっぺんの頭頂葉は感覚データに基づいたリアルな世界が展開されるが、頭の前の前頭葉は過去の記憶に基づいたヴァーチャルな世界が展開されている。

過去の記憶によって憶測や心配事が脳を占領している場合、前頭葉が有意になっているが、畑仕事や潜水などリアルな感覚が強烈に頭頂葉に届けられると、前頭葉の働きは抑制されて頭頂葉が有意となり、憶測や心配事が消えて頭の中がスッキリする。

何か始めようとめんどくさく感じるとき、何が起きるか予測が難しいため、前頭葉が活発に働いて不安が生じている。なので、パソコン作業であればパソコンを触って立ち上げておく。トレーニングをしたいのであれば、トレーニング場所に行って足を踏みしめておく。そうして感覚入力を増やしておこう。

まとめ

めんどくさい沼から抜け出せない原因と、脳に通じる命令について解説してきた。是非試してみて欲しい。

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