めんどくさいは人類共通の敵である。その発生メカニズムは、
やらなきゃいけないと思う→色々考える→めんどくさい
である。この色々考えるにもパターンがあるという。今回も鶴田先生の「めんどくさいが無くなる本」から5つのパターンを紹介する。
1.考えることは良いことだ-めんどくさいを引き起こす考え①-
考えすぎる人は行動力が低い
一般的に「考えるは良いことだ」と思っている人は多いでしょう。しかし、そうした常識が正しいとは限りません。
人は一日に約6万回考えるそうだが、人はポジティブなことよりもネガティブなことの方が記憶に残りやすいのだとか。つまり、人は考えるたびにネガティブな記憶が残っていくということである。
しかし、考える力の強い人が勝利をおさめるのも事実。考える上で大事なことは、「何となくの思考」と「意識的な思考」を区別すること。
「何となくの思考」とは、「ああ疲れたなーそういえば今日は上司にイヤなこと言われたな。明日会社行くのイヤだな」と、とめどなく頭を流れるくるもの。こういったネガティブで何の生産性も無い思考がめんどくさいを引き起こす。
「そういえば来週プレゼンがあるな-、パワポ作らなきゃ、画像探さなきゃ、アニメーションとかも入れないと…」と考えすぎてしまうと、さらにめんどくさくなってしまう。
行動力が低い人は、ほとんどの場合、事前に考えすぎる傾向があります。一方、行動力のある人は、あまり考えずにとりあえず動きながら、体で覚えていきます。
こうした経験は身に覚えもあり、非常に納得の行く話である。
「考えない力」の鍛え方 ネーミング・ウォーキング
では、考えないようにするにはどうしたら良いのか。何も考え無ければ良いのである。試しに10分間何も考えないようにしてみよう。恐らくかなり難しいと思われる。
頭を空っぽにするための一般的なやり方は「瞑想」です。
やはり瞑想は有用らしい。しかし面白い所は、瞑想が難しいものだと分かった上で、同じような効果を出せてなおかつ簡単な代替手段を用意しているところだ。やり方は、1人で歩いているときに、ふと目にしたものに1つの単語で名前を付けていく。これをネーミング・ウォーキングと名付けている。
たとえば、歩いていて、電柱を見つけたら、そのまま「電柱と名付けてもいいし、「タワー」と名付けてもいいし、「ポペ」などという意味のない名前を付けてもかまいません。
これの良いところは、頭の中が空っぽになってリラックス効果を得られることだ。
私たちは放っておくと1日中考え続けて脳を疲れさせてしまうので、意識的に脳を空っぽにして休ませることをしてあげないと、ストレスにやられてしまいます。
実際にやってみるとわかるのだが、悩んでいることや気になっていることから気をそらすことができるのだ。すると頭や心の重さが軽くなり、気分的にかなりリラックスできる。恐らく瞑想にもそういう効果があると思われるが、かなり力強い意識のコントロールを必要とされる。
その点ネーミング・ウオーキングであれば簡単ですぐに実施できる。悩みについて考えすぎる脳の特性を巧みに突いた妙案である。
2.効率的にやりたい-「めんどくさい」を引き起こす考え②-
やり方で悩むよりやってみろ
2つ目は効率的にやりたいである。これの何がいけないのか。仕事ができる人は効率的に仕事をするし、評価も高い。しかし、夢や目標に向かって行動する場合、効率的にやりたいという考えは逆効果なのだと言う。
「効率的にやりたい」という考えがあると、行動する前に、なるべく多くの情報を集めてからでないと行動できないと思ってしまうからです。
確かに、情報集めに必死になってなかなか本題に取りかかれないのは「あるある」だろう。集めすぎた情報の前に混乱を起こし、何もできなくなることもよく経験する。
やり方で悩んで何もしないくらいなら、とりあえずやってみれば良いのです。
効率性より継続性
では行動するというテーマにおいて、効率性より意識するべき点は何なのか。それは「継続性」である。人はなるべく楽をしてスキルを身につけたいと思ってしまう生き物である。しかし、スキルの習得には学習時間が大事であり、効率よく習得しようとしても、結局ある程度の学習時間が必要になってしまう。
そのため、継続できるような工夫をして学習時間を確保することに意識を割く方がよっぽど効率的である。この時間というのは、100時間単位から1000時間単位で学習を実施する必要がある。
例えば、英語を習得したいとして学習を始める。効率よく勉強しようとしても、TOEICの点数は最初の50~100時間くらいはほとんど上がらない。毎日2時間学習したとしても1ヶ月~2ヶ月はほとんど変化が無いのだ。効率よくやろうとして別の参考書に手を出したくなる頃だが、この話を知っていれば積み重ねが可能だろう。
大事なのは効率性よりも継続のしやすさなのです。
変化を感じるまでに200~300時間は学習時間が必要なため、もの凄く時間がかかると感じるだろうが、それだけやれば何でも確実に変わることができるだろう。それに必要なのは、継続して学習ができるように工夫することである。
最も効率的な見切り発車のススメ
効率的にやろうとすればするほど、効率的でなくなる。このジレンマを解消するためには、とりあえずやってしまうことがとても重要となる。ある程度、学習の道筋を立てたら、とりあえず本の1~2冊は読んでみて、それ信じて行動した人が結果を出すのである。
とりあえず、見切り発車でやってみることが、一番楽に結果を出せる方法なのである。
3.最初から良い結果を出したい-「めんどくさい」を引き起こす考え③-
まずは失敗を目指す
どうせ始めるからには良い結果を出したい。こう思うことは当然の様に思えるのだが、著者によるとこれも行動のハードルが上がってしまって行動を起こせなくなるようだ。
「最初から良い結果を出したい」という人に対して、私は、「まず失敗を目指して下さい」と言っています。
どうせやるなら良い結果を目指したい、そうなると準備に時間がかかる。あれも勉強してこれも勉強して、あれを準備してから…そんなことをやっている間に疲れてしまうので、やる気が無くなってしまい、行動できなくなっていくのだ。
「質」より「スピード」を重視する
最初の一歩に時間をかけているとどんどん行動できなくなっていく。なので、最初はスピード重視で質のことは一旦忘れよう。とにかくスピード重視で失敗をしまくっていくうちに段々スキルが身についていく。
4.選択肢は多い方が良い-「めんどくさい」を引き起こす考え④-
選択肢が多いと行動できなくなる
選択肢の多いことの何がいけないのか。一般的には選択肢が多い方が豊かである証拠であったり、成功するチャンスが広がっていたりするように感じる。
人は、選択肢が多いと行動しづらくなるのです
買い物では、数種類のラインナップと数十種類のラインナップの商品であれば、種類が少ない商品の方がはるかに売れやすいと言う。また、何でもそれなりにできる器用貧乏タイプの人は、どれか一つに絞ることができないので、やりたいことが分からないという悩みを抱えていることが多い。人は情報を手に入れて選択肢を増やしすぎても行動できなくなるのだ。
行動する前に、集めて良い情報、集めてはいけない情報
集めて良い情報は、「今すぐ行動に繋がりそうな情報」だけを集めるようにしよう。
集めてはいけない情報は「将来役に立つかもしれない」と思っているような情報だ。どうせその情報を活かそうとする頃には、すでに古くて使えないものになっている。そのうち役に立つかなと言って情報収集するのはやめにしよう。
5.できなかったら、それは私の意思が弱いから-「めんどくさい」を引き起こす考え⑤
意思の力は関係ない
何か行動を継続できなかったらつい自分の意思の弱さを責めてしまう。実際、「自分の意思が弱いから」としか思えない人がいることも理解できる。
「意思の力」はほとんど関係ありません。夢や目標の実現に向かって進んでいるとき、最初は誰でもできなくて当たり前だからです。
著者の鶴田さんは今でこそ数百名規模のセミナーを数ヶ月おきに実施するような講演家だが、それ以前は「こんな自分が人前に立って話すなんてありえない」と思っていたそうだ。
最初は会議室を予約するが、セミナーの募集がどうしてもできず、会議室を無駄にすることもあったのだとか。しかし、一歩踏み出してFacebookでセミナー募集し、5人を前に講演家デビューを果たしたそう。
途中で歩みを止めたり、横道にそれたり、後退するのは当たり前なのです、
周囲から見て何も進歩していないように見えても、それは必要なプロセスであり、順調に前へ進んでいる証なのだ。諦めずに続けていれば、全てが順調に運ぶ。
まとめ
めんどくさいを引き起こす5つの思考パターンを見てきた。当てはまると思う場面が多かったのでは無いだろうか。
- 考えすぎず
- 調べすぎず
- 見切り発車で
- とりあえず続けよう
めんどくさいと思ったら是非実践して見て欲しい。
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