「めんどくさいがなるなる100の科学的な方法」の著者である、菅原道仁先生は脳神経外科医であり、脳の機能について一番詳しい職業の先生と言っても過言では無い。
脳には癖があり、その癖を活かすことが自分の行動をコントロールする上でとても重要になる。脳が嫌がる方法で自分をコントロールしようとしても、脳は答えてくれないのだ。
今回は、そんな脳の癖を紹介する。
損することが何よりも嫌
私たちの脳は、「得」よりも「損」を多く見積もる傾向にあるという。つまり損をしたくない働きの方が強い。これを「損失回避性」と呼ぶ。
何か行動しようとするときに、この行動を継続して得られる「得」よりも、継続して何も得られない「損」の可能性の方を大きく見積もってしまうのだ。そして、人は何もやらなくなってしまう。
この場合、行動して得られる「得」をしっかり考える必要がある。今これをやった方が良い理由、利益を明確にイメージして、脳をうまく騙していかなければ、損ばかり大きく見積もってふくれあがってしまう。
そもそも、結果がすぐ出るものと思っている人が大変多い。行動をし始めて最初はその興奮で作業できるが、その興奮が収まってきたあたりからが勝負なのだ。こんなの続けてて意味あるかな、無駄なんじゃ無いかと思えてくるから、損をしているように感じる。
でも、考えてみて欲しい。世の中の成功者は皆その段階を超えて努力しているのだ。損をすることは、巡り巡って自分のためになっている。何か掴むまで行動し続けよう。
わかっていても「変えよう」としたがらない
心理学では「現状維持バイアス」というものがある。新しい組織に入った当初は、慣れない慣習に不満や非合理性を見いだして文句も言いたくなるものだが、その慣習に慣れていくと「こういうものだから」とその現実を受け入れて、慣習を変えるのがめんどくさくなってしまう。
慣習を変えようとするエネルギー、慣習を変えることによって生じる不都合などを過剰に不安視し、改善による「得」を小さく見積もってしまう。失敗したらどうしようとか、疲れるから嫌だとなんだかんだ理由をつけて行動を制限してしまう。今のまま変わらないという選択肢を選んでしまうのだ。
これに立ち向かうには、今やらなければいけない理由や、やらないことで起こりうる最悪の未来をイメージし、明確にしておかなければならない。そもそも、何も変えようとしないことはリスクなのだ。何か起こってからでは遅い。
みんなと一緒が好きだからやめられない
心理学において「バンドワゴン効果」という、長蛇の列ができている店に並んでしまう、口コミ1位という言葉に弱い、などの心理現象だ。つまり、「勝ち馬に乗る」というような行動だ。
これは、本来の価値を自分で評価するのでは無く、「他人からの評価」が気になり、大勢の人と同じことをすることで安心してしまう癖が脳にあるからだ。
今はインターネットの発達により、行動しない理由はどこからでも入手できる時代である。他人からの評価が頭を支配し、やる気を削ぐ原因となっている。
やる気が起きない時は、入ってくる情報を制限することが効果的だ。情報デトックスで脳の中をスッキリさせよう。
目に映る人を真似ていくミラーニューロン
人間の脳には、見て真似る細胞「ミラーニューロン」が存在する。たとえば、お母さんが赤ちゃんに微笑むと、赤ちゃんが微笑み返す現象がある。これはミラーニューロンによって微笑むという現象をミラーのように真似しているのだ。
子供はミラーニューロンにより話からから食べ方、行動の癖まで親の影響を受け育つ。
自分がやってみたいと思うことを既に始めている人、その分野で憧れたり、尊敬している人と接していると、その言動をまねすることによって、自分をその人に近づけていける。
真似をするということは、人間が本来持っている成長するための必須の要素であり、何ら恥じることでは無い。むしろ、真似をするためのミラーニューロンという細胞さえあるのだ。これを使わない手は無い。
憧れている人の言動、食べているもの、生活習慣全て真似しよう。あの人だったらこういう時こうするかなと考えるだけでも普段の生活が変わってくる。サボれなくなるだろう。
まとめ
めんどくさいという感情を引き起こす脳の癖4選を紹介した。誰もが経験したことのある場面だと思うが、これは脳の癖で治しようがないものだ。これに上手く対処して行動できるようになろう。
コメント